ブックレビュー: ケーキの切れない非行少年たち
尊敬する多くの人が
「衝撃を受けた!」
というので読んでみたら、ほんとに衝撃でした!!夢中で一気読み(聴き)してしまいました!
少年院にくるような少年たちの多くが、知的障害、認知機能に問題があるという事実。
見た目には普通。だからわからない。
でもちゃんと認知機能の検査をしてみると、グレーゾーン。問われている質問の意味が理解できていない。そう、実は、反省させる以前の問題を抱えている。
こういう子供たちは、小学生のころから、実はとても生きづらさを感じて生きている。本当は困っているのに支援されず、問題行動が目立つようになり中学生くらいになると
「頭が悪い」
というレッテルを貼られ、社会から忘れ去られてしまう。
認知できないことが多く、生きにくいことが大きなストレスになって、本当は自分が被害者なのに、万引きや暴力などの犯罪をおかして、加害者になってしまう。
そして、日本の教育の大きな問題、社会で生きていくのに最も大切な「社会面の支援」が、学校教育で系統立ててほとんど何もなされていないとも指摘しています。
社会面の支援とは、対人スキルの方法、感情コントロール、対人マナー、問題解決力といった、社会で生きていく上でどれも欠かせない能力を身につけさせること。
こういう認知機能がグレーゾーンな子供たちも、こういう支援をちゃんとしてあげれば社会に適応できる。
それなのに、取り残され忘れられて少年院へ、そして大人になれば適応できずに刑務所入ってしまう。
ちゃんと支援してあげれば、普通に社会へ貢献できる納税者になれるのに、社会全体として、ほんとにもったいないことになっている!!
著者の熱い想いも伝わりました!
困っている子供の、早期発見と支援を教育の場でぜひやってほしい。まずは、多くの人がこの事実を知って、それができる社会にしていきたいなぁと思いました!
そして、社会面の系統立てた教育や支援って、普通の子供たちにとっても必要ですよね。
学校教育で系統立ててなされれば、知的障害を持つ子供だけでなく、誰もが社会にでて、たくましく生きられる能力を身につけられます。
それが、結局は大人にとっても子供にとっても、幸せな社会になると思います。こういう必要性を訴えていくることが必要ですね。