ブックレビュー ザ・メンタルモデルと実存的変容
メンタルモデルとは、人の阻害行動の原因になる固定観念のラスボスという感じです。まさにその人の人生のコア部分、心の奥底にある深層心理の中のなかなか抜け出せない固定観念です。
4つのどれかひとつに誰もが当てはまる
4つの「メンタルモデル」とは――。
A 価値なしモデル「私には価値がない」
B 愛なしモデル「私は愛されない」
C ひとりぼっちモデル「私は所詮ひとりぼっちだ」
D 欠陥欠損モデル「私には何かが決定的に欠けている」
概要を抜粋すると…
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このメンタルモデルを理解できると、
この人生であなたがどんな世界をもたらしたいのか、という願いや使命が見えてきて、
ありのままに生き、その喜びの中で生きられると言います。
では、どのようにメンタルモデルを見つけるのでしょうか。
それは、心の奥にある「本当の痛み」を見つめること。それに気づくことだけです。
じつは、人間は、この「本当の痛み」を感じないよう、その痛みを「克服」しようと仕事に打ち込んだり、あるいは「逃避」したりして、人生を費やしています。
しかし、いくら克服しようとしても逃避しようとしても、「なんだかうまくいかないな」「同じところでつまづくな」といった「不本意な現実」は、あなたに次々に訪れます。
この痛みを回避せずに感じることで、自身のメンタルモデルを理解し、「自分が本当に求めているもの」に気づき、やがて、あるがままに生きることができる、と言います。
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前書きの抜粋も。この抜粋でピンとくる人は、読んでみることをお勧めしまーす!少しは視野が広がると思います!
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ほとんどの人は「不本意な現実」は外部からやってくると錯覚して、一生懸命に外部に働きかけます。ところが、いくら努力をしても自らの歪みに直面しない限り、また同じような「不本意な現実」が絶え間なく押し寄せてきます。 そうして、次々に押し寄せてくる「不本意な現実」と解決なき泥沼の格闘を続けて、「大変だ、大変だ」と死んでいくのが、いままでのほとんどの人の人生でした。それは、社会的な成功を収めたからといって解決することではありません。
これが「怖れと不安」にドライブされた「分離」の状態といわれる人生です。いままでは、ほとんどの人がこの「分離」にあり、その中での社会的成功を目指していました。周囲がみんなそうなので、その人生が不自然であることには、誰も気づきませんでした。
本書は、この「分離」状態に、何となく居心地の悪さを感じている人々が、その次のフェーズである「統合」の人生へ飛躍するためのガイドブックです。
ここでいう「統合」は、深層心理学では「実存的変容」と呼ぶもの。
「実存的変容」は、親、会社、社会など外側からの期待に応えて痛みを避けようとして生きている人生、つまり「適合」から、自らの魂の根源的な要求に沿った現実を自由に創造する人生への変容です。「怖れ」で駆動された人生から、「愛」の人生への変容ともいえます。
いままで多くの人が「社会的な成功」の方法論を説いてきましたが、そのほとんどが「分離の人生」の教えでした。「分離」したまま社会的成功を達成する方法論です。
本書では、 その一歩先にある「統合した人生」への道をお伝えします。「怖れ」、「不安」、「戦い」、「努力」の人生から、「愛」、「調和」、「平安」、「幸福」な人生への変容ともいえます。
「分離」から「統合」への意識の変容には、頭(顕在意識レベルの思考)で理解しても、何も動きません。無意識(普段の生活では触れることのできない潜在意識)レベルへのアクセスがどうしても必要になります。
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メンタルモデルと合わせて、実存的変容の方を読むと、診断テストがあるので、なんとなく自分のことは「価値なしモデル」かなと思いました。夫は「ひとりぼっちモデル」かなと。
夫にきかせるために、各モデルの説明を音読していたら、自分の「価値なしモデル」の説明を読むと、無性に泣きそうになる自分に気づきました!
長いこと、これで辛い思いしてたんだな〜自分!と改めて感じました!どおりで「千と千尋の神隠し」の「顔なし」のことを、他人と思えず妙に同情して共感してしまう自分がいるはずです〜😭
この本を読んでわかったのは、直面期を乗り越えて実存的変容をなしとげた人とそうでない人との違いは明白!自分の内側から、信念というか想いというか、成し遂げないことが溢れ出るんだなぁということ。
価値なしモデルの人が、直面期を乗り越えると
「人間は、社会に価値をもたらさなくても、能力を発揮しなくても、存在しているだけで十分に価値がある。つまり、ありのままの命として価値を世界に訴えるのがライフミッション」になると。わたしはまさにその通りなんですよね!
もちろん、直面期を乗り越えると、明らかに人生が生きやすくなります。辛いことや病気などで、期せずして直面期にぶち当たり、考え抜いて実存的変容した人もいっぱいいます。
コーチングやカウンセリングも一つの手段になりますね。この著者の天外さんは、本名は土井さん。ソニーでCDを開発した方なんです!神田昌典さんやサッカーの岡田監督も、天外さんのフロー塾の影響を受けていることは初めて知りました。
この本では、ティール組織を解説してくれているのもありがたいです。日本の組織とはちょっとはまらないところも、見事に解説してくれています。
ちょっと読みづらいところもありますが、メンタルモデルと合わせて、新たな視点とこれまで自分の知識への確信が、ほんとに明らかになった本でした!!