ブックレビュー 成熟脳 脳の本番は56歳から始まる

だいぶ前にお勧めされていたこちらの本。お友達がブログに書いていたので、読んでなかったことに気づいて読みました!

読み始めると、面白くて止まらない。エッセイスタイルでとても読みやすい。へーー!!と思うようなおもしろい事例を交えて展開されるテンポの良さ。知っておくと人生がちょっとだけ楽になるような、救われるような脳科学の小ネタが満載。

男女の脳の違い、ことばと感覚の秘密。なるほどねーと膝を打ったり、目から鱗が落ちたりで忙しい 笑

日常のエピソードは、女性として母としての黒川伊保子さんのお人柄の魅力、そしてご家族とのステキな関係性までも伝わってきます。

ぜひぜんぶ読んでほしいですが、私がいちばん印象に残ったのは「金魚の愛、夫の愛」のエピソード。

縁日で買った2匹の金魚のニュースの内容から始まります。デメキンの方が弱ってきて、餌をあげても水面まで泳いで餌を取りに行けない。そんなデメキンをフナキンが水面まで押し上げてあげる、まるで介護をするような金魚のニュースがあったそう。

金魚に心はない。だから仲間を介護するなんてことはないはず。だけど、たった一つ考えられることがある。

金魚には「群れるための拡張感覚」がある。群れ全体を、自分のからだの一部のように認識する、一斉に動くための神経系の機能。この拡張感覚をもって、フナキンは、デメキンを自分の一部と感じているのではないだろうか。つまり、「自分の一部」がしようとしてできないことを、なんとかフォローする感覚なのだと思う。

男の愛は、金魚の絆に似ている。
空間認識力の高い男性脳の拡張感覚は、女性脳よりはるかに高く、バイクや車などのメカや道具を、自分の一部のように感じる。まるで神経がつながっているような感覚でバイクを操り、道具を使う。そう、金魚たちのそれである。

長く暮らした女性を、その能力を使って、自分の一部のように感じてしまうようなのだ。自分の右手をわざわざ 褒めないように、男たちは妻を褒め続けたりしない。自分の右手に「愛してるよ」と言わないように、男たちは妻に愛を伝え続けることはない。

でも妻に先立たれたら、からだの大事な一部をなくしたかのように、弱って死んでしまうのである。

どちらの愛が深いのだろうか。  脳科学的にも人工知能論的にも、答えは、男性脳のそれ、である。女の愛は、人工知能で「ふり」ができるが、男の愛は、人工知能では実現しようがない。

ここを読んで、ちょっとうるっとした。知らなかった。知らなかったよ。
男性脳には拡張感覚がある。本人にとっては当たり前だから、決して言葉にして伝えようとしない。でも、拡張感覚のない女性は、当然言葉を欲しがる。この感覚の違いが、なんとも悲しいすれ違いを生む。

いや〜でもさー、それってもったいなくない?そんなに深い愛なのに、伝わらないってもったいないよ。せっかくなんだからさー言葉でも伝えようよ。人工知能でフリができようができまいが、目の前の大事な人に伝わらなかったら意味がない!

男性諸君、女性には拡張感覚はないんだよ。だからあなたの言葉で伝えていこうよ!

と声を大にして言いたいな。

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