ブックレビュー 敵とのコラボレーション

この本、ちょっと小難しかったけど、いちいちなるほどで、勇気をもらえました!
敵とのコラボレーション

これまでの従来型コラボレーションは、単純でコントロールされた状況でしか機能しない。この多様性の時代、複雑さが増した状況では、従来型コラボレーションではだめで、「ストレッチコラボレーション」が必要、というもの。

ストレッチコラボレーションのストレッチとは、次の3つ

第一に、他の協働者 との関係について、チーム内の共有目標と調和を重視するという狭い範囲に集中することから抜け出し、チーム内外の対立とつながりの両方を受け入れる。

第二に、取り組みの進め方について、問題、解決策、計画に対する明確な合意があるべきと固執することから抜け出し、さまざまな観点や可能性を踏まえて体系的に実験する。

第三に、状況にどう関与するか、すなわち私たち自身が果たす役割について、他者の行動を変えようとすることから抜け出し、自分も問題の一因であるという意識で状況に取り組み、自身を変えることを厭わない

要するに、対立とつながりを受容すること、 進むべき道を実験すること、 ゲームに足を踏み入れるってこと!

従来のコラボレーションの解釈は、みんながみんな同じチームの一員となって、同じ方向をめざし、こうなるべきと合意して、必ずそうなるようにし、必要なことをみんなにさせるというもの。つまり、コラボレーションは統制下に置けるものであり、そうしなければならないという想定がある。計画立案会議のようなイメージ。

しかし、この従来の想定は間違っている! とバッサリ!複雑な状況で多様な人々と一緒に仕事をする場合、コラボレーションはコントロールできるものではないし、そうする必要もない。コントロールという想定を捨て去り、調和、確実性、従順という非現実的な幻想をあきらめ、不協和音、試行錯誤、共創という混乱した現実を受け入れないといけないってことなんです!

ストレッチ・コラボレーションでは取り決めや合意を交わす以上のことが必要になる。それは進行していく創発的なプロセスで、

そこでは、合意よりも行動が大きな意味をもち、決定的に重要なのは、参加者が自由に、創造的に行動でき、そうすることで進む道を創造できる状況をつくることなんだそう!

コラボレーションの成功は、参加者が互いに賛同するとか、好きになるとか、信頼するということではなくて、行き詰まりから脱して、次の一歩を踏み出すことなんです。

とくに勇気が出たのは、この創造的プロセスは、発見のプロセスであって、頭の中ですでに見えているもの、知っているものを投影するプロセスではないんです。だから明確なビジョンや目標、計画は必要なくて、それより克服しようとしている課題または問題の複合する状況についての共通の問題意識だけなんです。

進むべき道を創造的に見つけるために必要な行動原則は、何かを試し、一歩下がって結果を見てから、それを変更する、というのを何度も何度も繰り返すこと、なんだそう。

ちょうど、仕事で私のやりたいことの意義がなかなかわかってもらえず、明確なビジョンや計画を示すことを求められて、それがなかなかできないことに凹んでモヤモヤしていました。

でも、それもそのはず、私のやろうとしていることは、これまで誰もやったことがなく、新たな道を見つけようとしているからであって、創造的プロセスを行こうとしているからなんだとわかりました!
  
あと、もう一つ、ストレッチコラボレーションが厄介なのは、「ネガティヴケイパビリティ」と呼ばれるもの必要で、それは、「短気に事実や理由を求めることなく、不確かさ、不可解さ、疑惑がある状態に留まれる能力」。

こういう混沌とした状況にも辛抱強く、かつ力を抜いて居続けられる能力、私なりに解釈すると、なんとも不愉快な状況でも飄々としていられると鈍感力というか、いわゆるレジリエンスなんですかね。

モヤモヤしてても不愉快でも上等、そんな中で変わり者と言われても、変人OKで自分の信じる道を、人とつながったり対立したりしながら自分自身も変化しつつ、ゆるくちょっとずつ自分の足で進んでいく

勝手にそんなイメージをして、「そっか、モヤモヤしてても時々腹が立っても別にそんなもんなんだね」と妙に気持ちが軽くなりました!

そのための四つの話し方と聞き方がある、というのもなるほどでした!

もはや、これからは、対話だけでは充分ではない。対話の先を行くストレッチコラボレーション。この概念を知れただけでも大きな収穫でした!

よければを読んでみてください〜!

 

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