ブックレビュー マイノリティデザイン

この本、優しい気持ちになるし、涙出てくる本。

冒頭のこの言葉が好き。

すべての弱さは社会の伸び代

著者の澤田さんは、コピーライター。
お子さんが視覚障害だと知ったとき、父親がキレイなCMをつくったところで、 視覚障害のある息子は見れない、という現実に向き合うことになりました。

そこから障害当事者を訪ねることを始め、片手で使えるライターと曲がるストローは、「障害のある人と共に発明された」という話を聞きます。

そこから、いわゆる「社会的弱者」は「発明の母」になり得る、と知るのです。

「マイノリティは「社会的弱者」という狭義の解釈ではなく「社会の伸びしろ」。人はみな、なにかの弱者・マイノリティである。

タイプライターも、イタリアのエンジニアが、視力を失いつつある恋人と文通したいために発明したものなんですね。大切な人のために。そして自分のために。

心に響く言葉いっぱいですが、特に心動かされた言葉はこちら。

あなたが生まれなければ、この世に生まれなかったものがある。

すべての人はクリエイターである


あるいはクリエイターではなく、なにも生み出していないと思っていても「他者への影響」は生み出しています。すべての人に社会への影響力はある、とも言えます。  だからこそ、あなたが生み出すものは、影響力は、大切な人のため、大切な自分のためであってほしい。

そういえば、子どものころ、転校して3年性から私が通った小学生には、複式学級があり、私は複式学級の子達の支援係をしていました。週に何回かそのクラスに行って、勉強を教えたたりしていたみたい。でも正直、何をしていたかはほとんど覚えていない。

その関係でかは分からないけど、修学旅行のときには、旅行中ずっと、複式学級のちあきちゃんという同学年の女の子の面倒を見るように言われた。

引き受けたけど、子供ながらに正直ちょっとめんどくさかった。わたしも、他の子と同じように普通にふざけあったりしたかったけど、ちあきちゃんがくっついてくる。

あんまり覚えていないけど、ちょっと意地悪言ったりしたような記憶がある。罪悪感の記憶。

でも、ちあきちゃんは何も言わなかった。それどころか、ずっと私を慕ってくれていたことだけは覚えている。すごく純粋に慕ってくれていた。

小学生で一緒になった他の子の名前はあんまり覚えていないけど、ちあきちゃんの名前だけは覚えている。

子どもの頃も若い頃もよく分からなかったけど、今ならこの言葉の重みもよくわかる。

あなたはあなたのままでいい。いくら企業が「変わろう」と叫んでいても、大丈夫。変わらなくてはいけないのは、社会だ。

 

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