ブックレビュー スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック

だいぶ前におすすめされて買ってたのにちゃんと読んでなかったこれ!一気読みしながら涙しました。

こんないい本なのに、なんで今まで読まなかったんだろう?もっと早く読めばよかった!と思いましたが、本の中にこんな言葉が。 


「生徒に準備ができると、先生が現れる」

まさに自分に準備ができたタイミングだからこの本が目の前に現れた、つまり読むときが来たんだな、と不思議と納得するものがありました。

このドゥティさんのストーリーが実話とは驚きますが、多くの人に勇気を与えることは間違いないし、毎日のマインドフルネス(瞑想)が人生を劇的に好転させていくのもよくわかります。

私もかれこれ15年以上、毎朝、ヨガというほど身体は柔らかくないけど、ストレッチや筋トレを20分ほどしながら、この本でやっているような瞑想をやっているからです。

これだけが原因ではないかもしれませんが、やるようになって身体はもちろん、心のメンテナンスになっていることは間違いなく、体の不調も心の不調も好転しました。

心のメンテナンスがなぜ大事なのか、それは、人間の脳を本来の人間の脳として使えるようにするため。特に、人がまさに生きる目的でもある自分の人生のビジョンを知るために、とても大事なことが言語化されていました。

最近ようやくわかってきたのが、自分の人生のビジョンやミッションステートメントを考えるときに

「自分の人生はなんのためにあるのか?」
と問うのではなく、

「自分は何のために生かされているのか?」
問うべき、ということ。

「ミミさん!自分ならではビジョンは、
ビジョンから呼ばれる』感覚なんだよ!ディズニーのモアナみたいにね!」

マイコーチからむかーし最初にこれを聞いた時はピンとこなかったのが、最近その感覚がわかるようになってきました。

実はこれ、いろんな本に手を替え品を替え書いてあるんですね。あの有名な「ティール組織」の根底にも流れています。

著者、フレデリック・ラルーの来日講演に2年前に参加したとき、感動して号泣したのですが、

彼の幼い頃からのストーリー、そしてコンサルタントとしての葛藤があり、コーチになり、そこからティール組織を書くまでの話が語られました。あるとき突然、本のコンセプトが自分に「降りてきた」と話していました。

講演についてのブログ記事はこちら
ティール組織 著者フレデリック・ラルーさんの講演

自分ならではの人生の旅があって、そこから「自分は本当はこうしたい、こうありたい」というのを追求して悩み考えるなかで、自分の人生をかけてやっていきたいビジョンとミッションに呼ばれる。

この著者ジェームスドゥティさんの人生の旅もまさにそうでした。ビジョンは、準備ができている人に降りてくる。ビジョンから呼ばれる感覚。その理由がこの本でわかった気がしました。

頭は、人間を区別し、一人ひとりが別の人間だということにしたがる。自分と他人をくらべ、違いを見出し、限られた資源の取り分を確保する方法を教えてくれる。

でも心は人をつなげ、分かち合おうとする。人間には違いがなく、結局僕たちはみんな同じなのだと教えてくれる。心はそれ自体が知性を持つ。そこから学ぶことができれば、僕たちは何かを与えることによってのみ、何かを持ち続けることができるとわかる。幸せになりたければ、他人を幸せにするしかない。愛が欲しいなら愛を与えばいけない。よろこびが欲しければ他人をよろこばせなければならない。ゆるしを得るにはゆるさなければならない。平和が欲しければ自分の周りに平和を生み出さなくてはならない。

ルースが僕に与えてくれた訓練は、体の中の二つの頭脳、つまり頭と心の両方の脳をひとつにすることを助けてくれるものだった。それなのに、僕は何十年も心の知性を無視してきた。僕を貧困から救い出し、成功へと導き、価値を与えてくれるのは頭だと思っていた。でも結局、本当の価値を与えてくれたのは心だった。脳は多くを知っている。だけど、心と一緒になったとき、脳ははるかに多くを知ることができる。  

ルースが教えてくれたことは、いまではマインドフルネスと 視覚化 と呼ばれているものだ。それは心を落ち着け、邪念を取り去り、内面へと旅するための素晴らしいテクニックだ。それは集中力を上げ、意思決定のスピードを上げてくれるが、知恵と洞察、つまり心を開くことが伴わなければ自己陶酔とナルシシズムと孤立につながりかねない。

この旅は内面に向かうだけでなく、外とつながるためのものでもある。内に向かって心を開けば、僕たちは自分の心とつながり、その心は僕たちを外に向かわせ、他者とのつながりを促してくれる。この旅は終わりのない内省ではなく、自分を超えて外に向かっていくものだ。

頭に思い描く前に気をつけなさいとルースが注意してくれたのは、このことだった。人は欲しいものをなんでも生み出すことができるけれど、生み出す価値のあるものが何かを教えてくれるのは心の知性だけだ。

頭だけで考えるのではなく、人と人とをつなげ、分かち合おうとする「心」の知性を合わせて使って初めて、自分ならではのビジョンも見えてくる。

それは、心の知性には人と人との区別がない。心を使って感じることは人類に共通するもの。そう考えると、ビジョンというのは見えないけれど実はずっと存在していて、体現してくれる人を待っている。そして準備ができた人に降りてくる。

「ビジョンの方が人を呼んでいる」というのは、実は感覚的でもなんでもなくて、本当に正しいのかもしれない…とさえ感じてきました。

『生徒に準備ができると、先生が現れる』

これも、まさにビジョンに呼ばれている過程のひとつかもしれませんね。

 

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