ブックレビュー2: 世界に通用する子どもの育て方
この本、子供を持つ人も持たない人も、全ての人にオススメしたい!!
子育ての本かと思いきや、「子ども」の文字を「人」に置き換えてもまったく同じ!と書きました。
結局は、自分の育て方、自分の成長のさせ方の秘訣になります!
そして、この本は、リーダーやマネージャーの人に、ぜひ読んでほしい!
それを伝えたくて、この観点からのブックレビューを書きます!
多くのリーダーやマネージャーが、部下には主体性を持って、そしてモチベーション高く自律的に行動してほしい。仕事で新しいことにチャレンジしてほしい、そう思っています。
だけど、そんなリーダーの想いとは裏腹に、部下はなかなかモチベーション高く仕事に取り組んでくれない。
だから、つい厳しくハッパをかけたり、とにかく部下を管理、統制しようとしたりする。
これでは部下はますますやる気が起きず、疲弊していきます。
リーダーにとっても部下にとっても、お互いがハッピーに成果を出す方法はきっとあるはず!なのに…
そんなモヤモヤした想いを、この本は、見事に言語化してくれています!
著者の松村さんは、世界に通用する子どもを、次のように定義しました。
①世界中どこにいても幸せで
②自分の強みを生かして人を幸せにする
これこそ、リーダーにとっても部下にとっても、そして社会にとっても会社にとっても、ハッピーに貢献ができる人材だと思いませんか?
この本の文章の「子ども」を「部下」に、
「親」を「リーダー/ マネージャー」と置き換えて読んでみてください。
例えば、ここ。
ーーー抜粋ーー
「子どもだから親がコントロールして当たり前と思う方たちにお伝えしたいのは、コントロールされて幸せな人はいない ということです。 」
「体に生まれながらの生理的欲求があるように、「自分で決めたい」という感覚は生まれながらに誰もが持っているものです。
これが満たされないと、食欲が満たされないのと同じように心の健康を害し、さまざまな問題が生じます」
「子どもの自律性を育てるには、親が子どもをコントロールしないことです。かといって「自分のことだから自分でやりなさい!」と突き放せば自律性が育つわけでもありません。
忘れてならないのは、 自律性は「関係性」から始まる ということです」
「具体的には、「関係性」「自己効力感」「自己決定」の欲求を満たしてあげれば、自律性は自然に育まれます。
「子どもは親に信じてもらい、やればできると思え、無理にやらされなければ、自然と自律的になります。
逆に、どうせできないと思われ信じてもらえず、失敗したら責められ強制されれば、躊躇し、自律性は失われるでしょう。 」
ーーーーー
どうです?「子ども」→「部下」に、
「親」→「リーダー」に置き換えても、全くその通りなのです!
さらに秀逸なのはこの後です!
自律性を育むために、じゃあ、制限なく好きなことだけれどさせていればいいのか?と言われると、そういうわけにはいかない。
社会人には責任感も必要だし、やりたくないことでも会社のためにやってもらわなけれはいけないこともある。
そんな制限のある中でも、ちゃんと自律性を育む関わり方がちゃんと具体的に書いてあるんです!
ここからも、子ども」→「部下」に、
「親」→「リーダー」に置き換えてくださいね!
ーーー抜粋ーー
子どもを愛していて制限なくやりたいようにさせる迎合的な子育てスタイルだと、
学力が低く、心理的に不健康で、問題行動が多い傾向になるのは、制限や子どもの責任という概念が抜け落ちているためです。
自分で決めてやる「自律性」と、やってはいけないことを守る「制限」は相反するように感じるかもしれませんが、
ここまではしてもいいけど、ここからはしてはいけない制限」は、子どもに責任感を身につけさせることになります。
親が次の3つの要素を持って関わると、自律性を損なわずに制限を守れるようになります。
ここでも、まず関係性から始まり、
①まずやりたくない気持ちに共感し、その気持ちを認める。
②なぜそのことが大切なのか、合理的な理由を説明する。
③圧力を最小限にした言い方や質問の仕方で伝え、選択の余地(自己決定)を与える。 やることは決まっていても、やり方や時間を選択させることも含みます。
例を見てみましょう。デシらは5歳児と6歳児を2つのグループに分け、次のように声をかけて絵をかいてもらいました。
[第1グループ]統制的に関わりこう言いました。「いい子だから、道具をきちんと使いなさい! 守らなければならないことをきちんと守りなさい! 絵の具を混ぜこぜにしてはいけません!」
[第2グループ]自律性を尊重してこう言いました。 「絵の具をこぼして遊ぶことが楽しいことはわかるけど(共感)、この場所はこのあと、ほかの友達も使うので(説明)、道具や部屋をきれいに使ってね(圧力を最小限に)」
すると、劇的な違いがあり、第2グループのほうが部屋をきれいに使いました。
よく学校の先生が、厳しく言っても聞かない子どもたちを怒鳴ることがあります。実は、それが子どもたちをさらに聞かなくさせているのです。
子どもたちの目線に立って共感し、理由を説明し、圧力を最小限にしたリクエストをするといい のです。
この話は、大切なことを物語っています。 子どもは自分で決めたら、責任を持って守るということです。自分で決めさせないで責任だけ負わせようとしても、難しいのです。
子どもに決定の機会を与えると、次の効果があります。
①人間として尊重されたと感じる。
②やらされていないので、内発的モチベーション(興味などの楽しみ)が高まる。
③自分で決めたことの権限を感じ、責任感が芽生える
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いかがですか?
「子ども」→「部下」に、「親」→「リーダー」に置き換えても、まったくあてはまると思いませんか?
- 気持ちに「共感」する
- 大切な理由をわたし文で伝える「説明」
- 圧力を最小限に、本人に決めさせる「自己決定」
この過程をちゃんと踏んで話をすれば、人のモチベーションも主体性も責任感もすべて高まるのです!
ぜひ、リーダーの方は、部下の方とこういう関わり方をしてほしいものです!!
そうすれば、お互いがハッピーに、成果が出る組織になると信じています!
よければこちらも!出版しました!