ブックレビュー: 自分を解き放つセルフ・コンパッション
セルフ・コンパッション(≒自分に対する思いやり)これだよこれ!!
生きていれば、大なり小なりの失敗はある。失敗がない人なんていない。
失敗や挫折したとき、自分に対してどういう言葉をかけるか?これが、その後の成長曲線がどうなるかのポイントだったんだ〜!
失敗や挫折をしたとき、それが親友だったとしたら、思いやりの言葉をかけてあげるのに、人間なぜか自分に対しては酷い批判の言葉をかけがち。この「自己批判を繰り返す」ことで長期的にいいことなんて、実は一つもない!これは驚き!
反省して自己批判して自分を追い詰めて、そうしないと人って何かしらの改善行動ってできないって思うじゃないですかー?!でも、自己成長にはむしろ真逆の効果だったんですよ〜。これを知れただけでも嬉しい。
セルフ・コンパッションの概念、私は大好きで、ここ数年注目してきたけれど、優しさばかりが悪目立ちするのか、日本企業にはウケが悪い印象だった。
たぶん日本語的に「自分への思いやり」となると、その中には当然、ありのままの自分を受容する、ということが入る。それだと自分は成長しなくてもいいという甘やかすメッセージになる。それではダメだ、人の成長には厳しさが必要だ!…そういう思い込みは、特に日本人には多い。この壁は高いなぁと思ってたんだど、、、そうじゃない!
この本を読んで、セルフコンパッシには優しさだけじゃなく、強さのセルフコンパッションの側面がある、というのを知れて嬉しい限り!
というか、本当に優しい人は芯が強いってのは誰もが感じるところなので、当たり前と言えば当たり前なんだけど、だからこそ納得!!
困難や生きづらさを感じている自分自身をいたわり癒すことでエネルギーを取り戻す「優しさのセルフ・コンパッション」と、
そのエネルギーで困難の原因に向き合い変化を起こす「強さのセルフ・コンパッション」の両方によって、苦しみを根源から変容させ成長や自信をもたらすことができるんですね。
「コンパッションとは、自分の怒りや激情に向き合う勇気を育むものであって、『それらを癒して取り去る』ものではない。実際には……癒しは安全な避難所として役立つだけでなく、私たちが勇気を持って必要なことに取り組むための準備としても役立つ」
この本は、強さのセルフコンパッションにより着目して、ジェンダーバイアスに立ち向かうパワーにもつながるとしています。著者が体験したという辛い話もありますが、現実に立ち向かう力を得るためにも、多くの女性にも読んで欲しいとも思います。
セルフコンパッシは、失敗への生産的な向き合い方に必須の概念ってことですね!
出版社の英治出版さん、太っ腹にも「監訳者による序文」を公開してくれてます。木蔵(ぼくら)シャフェ君子さんの、この序文を読むだけでも慈愛に満ちていて、本当の意味で優しく強くなれる気がします。
『自分を解き放つセルフ・コンパッション』の「監訳者による序文」
セルフ・コンパッションについて、人材育成面のプラスの研究成果は、実は、2019年のハーバードビジネスレビューの記事にもコンパクトにまとまって載っています。
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2019年 5 月号 [雑誌] (セルフ・コンパッション)
それでもなかなか浸透してなかったんだなぁとしみじみします。
今回のこの本で、セルフ・コンパッションの強さの側面が広がっていくと、すべての人が生きやすい社会になっていくきっかけになるのでは、と期待しています。
良ければこちらも!
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